Husserls Logik (17)

attributive Vorstellungはいかにして対象を表象するのかについて。attributive Vorstellungとは確定記述の表象版だと考えればよい。何らかの概念を介して対象を間接的に表象する表象のこと。これと対になるのがちょうど固有名の表象版のような、対象を直接的に表象するnichtattributive Vorstellung。でattributive Vorstellungは対象をどのように間接に表象するのかというと、まずもって表象しているのはその述定をもつ未規定な対象であって、いかなる対象がその述定を満たすかという真理によって、当の対象へと間接的にかかわるとされる。フッサールが挙げている例をいえば、attributive Vorstellung<我々がドイツ帝国の再興を負っている政治家>*1が表象するのは、そのような何らかの政治家であって、それが現実にそうであるのはビスマルクであるという真理により、最終的にこの表象はビスマルクその人を間接的に表象するとされる。

この考えは未規定的な対象という(今では)奇妙な考えをブラッシュアップできればなかなか面白いかもしれない。可能世界意味論で確定記述に対してどのような意味論的値を与えるかは面白いところだし。

*1:ちなみにフッサールはこの例が大好きらしい(笑)