Husserls Logik (37)

概念の同一性は内包の同一性によって定める。なぜかやたらとカント的な節。

ふと思った与太話。19世紀末までの論理哲学の話で概念の同一性をどう定めるかというと、その概念の構成要素となっているような徴表Merkmalの同一性によって定めるか、その概念からの帰結をも含めて同一であるときに同一とするかの二通りがあるようだ。当の概念とその構成要素となっている徴表の関係は分析的・構成的関係で、概念とそこからの帰結との関係は総合的・帰結的konsekutiveと呼ばれている。
さて極めて素朴に考えて、例えば実数の定義はいくつか考えることができる。これらは素朴に、同じものを定義している同値な定義、と考えたくなる。しかし概念に対する分析的関係だけで概念の同一性を考えるなら、同値な定義はすべて別のものを定義している。帰結関係を含めたとしても、二階論理での実数定義と一階論理+集合論での定義だったりしたら・・・。