ではさらしageです。

  • Y田T志、「文脈原理に関するダメットの議論」、2004年度修士論文、2005.

論文技巧上の事柄ではなく、純粋に内容だけについて語るとすると、ダメットのフレーゲ話に詳しいわけでもない私には語ることが少ないのだが。フレーゲ解釈に基づきつつもそれから独立して、具体的/抽象的対象の間に引かれた区分を問い直すという方向は確かに進められるべき研究だろう。私としては問題はその先から始まるダメットの依存的対象/必然的対象とか、ドメインと非可述性の方にあるわけだが。

指示の文脈原理による抽象的対象の存在についての問題の「消去」が「ずるい」と思う気持ちはもう少し汲まれるべきで、つまり、文脈原理が見過ごされるのはなぜなのかは考えてもよい事柄だと思われる(ダメットが何か言っているのかもしれないが)。某先生の言うところの「文脈原理のパラドキシカルな性格」に帰せられるのかもしれないけど。これはこれで、ではなぜそのようになっているのかの説明は必要だと思われる。

ともかくもお疲れ!