津田大介、『だれが「音楽」を殺すのか?』、翔泳社、2004.

音楽の著作権にまつわる最近の問題についての本。輸入権、CCCD、ファイル交換、音楽配信について、分析と論評を行う。基本的な問題の経緯などしっかり押さえられていて参考になる。各種の公式発表だけではなく、インタビューなどに基づく情報もある。一次資料への文献指示がほとんどないのがちょっと残念かなとも思ったが、勉強になることはとても多かった。一音楽ファンとして、著者の見解に賛成できることも多々あった。この本は刊行されて一年ちょっとしか経っていないとはいえ、CCCDはセキュアCDに姿を変えようとしているし、ファイル交換も多くのネットワークが消え、音楽配信はついにiTMSが日本でも始まった。相変わらず動きの激しい分野だ。

・・・って著者本人がはてなにいるのね。