金子洋之、『ダメットにたどりつくまで』、勁草書房、2006.

こういう本が出て良かった。ダメットについての本や論文は読みやすそうなものでもいくつかあるが、たいてい数学の哲学の話をふまえていなくて不満が残ることが多いので。この本は難しい。ダメットを読んで、この本である程度の見取り図を得て、またダメットに戻って読んで考えないと細部の議論がよく分からない。言語使用のハーモニーと正規化定理の話はもうちょっとディープに入っていたほうが、分かる人には分かりやすかったのかも。
どうでもいい点を。文献指示の年号が違っているところがいくつか。付録はTeXのままなのね。帯に一カ所だけ「ダメッド」と書いてあるところがある。