Michael Friedman, A Parting of the Ways, Open Court, 2000.

新カント派を背景に、カルナップ、カッシーラーハイデガーを比較した本。新カント派がカント解釈上で抱えた問題がいかにこの三者に引き継がれ、そして解決されていないままであるかを論じる。とても面白く読めたし、新カント派、そしてカッシーラーの重要性が分かった。カルナップ/ハイデガー論争の論点と政治的背景を扱った第二章、新カント派の一般的解説をする第三章あたりは白眉。カルナップやカッシーラーの体系を説明するところは少しポイントが分からなくなってしまう感もあった。それから西南学派の扱いが物足りない気がする。安直な見解に見えてしまう。いずれにせよ、分析哲学現象学を学ぶ人間には必読の書だ。